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Deep freezer緊急故障時の対応方法

更新日:2021年1月6日

[はじめに]


試料を保存するDeep freezer(-80ºC以下になる)は、研究活動を支えるなくてはならないインフラ機器です。比較的高額であるため、バックアップスペースが十分でないこともあります。そのような際に、運悪く故障してしまうこともあります。

 本項では、筆者が経験して切り抜けた際の経験やチップスを備忘録のため記載します。これが役に立つことがないことをお祈りします。

 

[材料と方法 〜Deep freezeer緊急故障時対応〜]


0.落ち着いてください。仲間を集めましょう。手数が必要です。


1.異常発見後、絶対にdeep freezerのドアを開けない


2.すぐさまメーカーに連絡し、代替え機も含めた、対応策を相談する。どんなに早くても、代替え機は翌日になる。それまで試料をもたせるために以下対応。


3.対応策では、1時間程度は様子を見たり対応することがあるので、その待っている間に、周りの研究室に助けてもらえるところがないか、連絡する。


4.1時間以上、温度の上昇が止まらないようだと、メーカーからの結論を待たず、ドライアイスの調達を開始する。3で助けてもらう際でも、ドライアイスをつかってサンプルを移動することが必須。まずドライアイスが手に入る場所に電話して、何kg売ってもらえるか聞く。複数回らないと集まらないこともある。開店時間は24時間でないことがほとんどなので、すぐ動く。容量にも依存するが、600-680Lで30 kg以上調達。大量のドライアイス密閉空間にいると窒息死するので、などで運ぶ際は、窓を全開にして運ぶこと。厚生労働省公開の事例


5.Deep freezerへの詰め方だが、まず、側面に、穴を複数開けた小さめの箱を用意する。段ボール箱などがちょうどよい。ドラアイスは、中にクラッシュドライアイスにしてから入れます。上層から下層に冷気が流れるので、ドライアイスの入った箱は上層におくこと。上記の通り、600-680Lの縦型deep freezerに対して、30kg以上のドライアイスを入れれば、-60ºC以下で、一晩以上は持つ。


以下は、実際起きたときの図

 

[結果と考察]


温度が上がり始めているのに気づいたのは、夕方ころだった。2台あるうちの1台が緊急故障。すべてのサンプルを移動するスペースはない。

左図は実際調子が悪くなったときの

deep freezer。赤い点滅とともに-53ºCまで温度が上昇していることがわかる。心臓に悪い。



集まった人数は、自分も入れて3人。体制としては、一人は、deep freezerに張り付いて、メーカーとやり取りする係、もう2人はドライアイスの調達に向かう係。後者は、車で運転する人と、連絡しながら、複数業者に在庫確認し、それら場所をつないでナビする人からなる。


今回の場合、メーカーさんが、すぐに対応してくれたものの、やはり代替え機は次の日になるとのことで、それまでドライアイスを調達して耐え忍ばないといけない。刻一刻と温度が上がっていくなか、ドライアイスを売ってくれる業者さんが店を閉じる時間に近づき、すぐさま車に飛び乗った。たぶん、あと1時間おくれていたら調達は十分できなかっただろう。

左図は、ドライアイスをいれて一晩たったあとのdeep freezer。-60ºC以下を保てていることが読み取れる。





ドライアイスを入れたあとは、-60ºC以下を保てており、次の日のお昼前に代替え機がきた。代替え機内には、ドライアイスを詰めて送ってくれたようで、内部が冷えた状態だった。すぐさま、サンプルをうつして、無事移行完了した。その後、壊れたdeep freezerを空にして、霜取りして、拭いてきれいにして、引き払ってなど、どっと疲れた。

左は、室温に戻した故障deep freezer。霜取り時は、テープ付き養生シートが便利。
















急遽壊れても、ストレスなく対応できるためには、まるまるサンプルを移せるだけの、予備スペースを普段から持っておくのがベストである。ただ、2倍のdeep freezerスペースを確保するのは、スペースや金銭面での負担が大きい。ただ、サンプルの貴重性などを考えると仕方ない。この事故移行、壊れたときに移動できる予備機器による冷凍スペースを確保している。

 

初稿 2020/06/06執筆

2020/07/21 誤字修正

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